鐘楼堂改修特集 | 浄土真宗本願寺派 明徳山 常福寺

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鐘楼堂とは? 梵鐘とは?

syourou_all2.jpg鐘楼堂(しょうろうどう)とは、梵鐘(ぼんしょう)を吊るす施設で、鐘つき堂、梵鐘堂、のほか単に鐘楼とも言われます。

鐘楼堂に吊るされる梵鐘は青銅製の大きな鐘(かね)で撞木(しゅもく)と呼ばれる棒でつき鳴らします。

梵鐘は法要や仏事の予鈴として、また、朝夕の寺報としても撞(つ)かれました。さらに単に時報としてばかりではなく「その響きを聴く者は一切の苦から逃れ、悟りに至る功徳がある」とされ、梵鐘の功徳が鐘の銘に記されています。

常福寺の鐘楼堂

常福寺の鐘楼堂は明治22年(1889年)に新築されました。その後、鐘楼堂石垣の工事、茅葺屋根を銅板屋根への改修等の工事や、昭和20年(1945年)には太平洋戦争の金属不足に伴う梵鐘供出(昭和41年:1966年に再鐘)などを経て現在に至る120年もの歴史があります。

近年では大晦日の「除夜の鐘」がいちばん親しんでいただけているかと思います。

鐘楼堂の歴史

明治22年11月21日(1889年)

鐘楼堂を新築

明治25年(1982年)

鐘楼堂の石垣積工事完成

大正11年5月4日(1922年)

 鐘楼堂屋根落成

大正12年(1923年)

鐘楼堂を東方に5間移動工事完成

昭和20年(1945年)

戦争の為、梵鐘供出

昭和41年2月(1966年)

戦時中に供出をした梵鐘を再鐘(重量208貫)

平成21年9月21日(2009年)

鐘楼堂銅版葺替え工事開始予定
工期 約2ヶ月(株式会社 カナメ)

 

明治22年11月21日(1889年)
鐘楼堂を新築
明治25年(1982年)
鐘楼堂の石垣積工事完成
大正11年5月4日(1922年)
鐘楼堂屋根落成
大正12年(1923年)
鐘楼堂を東方に5間移動工事完成
昭和20年(1945年)
戦争の為、梵鐘供出
昭和41年2月(1966年)
戦時中に供出をした梵鐘を再鐘(重量208貫)
平成21年9月21日(2009年)
鐘楼堂銅版葺替え工事開始予定
工期 約2ヶ月(株式会社 カナメ)

鐘楼堂銅板屋根の葺き替えについて

常福寺の境内には本堂・庫裏・鐘楼堂・門信徒用台所・水場・墓地・ボーイスカウトのスカウトハウス・ボーイスカウト備品倉庫・墓地など様々なものがあります。

昭和の本堂・庫裏の修復工事、平成には門信徒用台所の新築など、多くの事業を行ってまいりましたが、近年は鐘楼堂の屋根(銅版)の傷みが深刻になってきています。

先代から護り継がれた鐘楼堂の屋根は、大正11年5月4日に落成法要を行っている記録があります。86年の間、風雨に耐え、大事に護られてきた屋根を葺き替える時期が迫ってきているように思えます。

今年の総代・役員会の議題の中にも、2回協議を致しましたが、近年の社会情勢・ 金属類の価格の高騰など、私たちの日暮にも影響が深刻になってきている状況です。

しかし、平成23年度には、親鸞聖人750回大遠忌をお迎えするにあたり、東北教区内・相馬組内・常福寺でも親鸞聖人750回大遠忌法要がお勤まりになる日程が決定又は予定になっております。

親鸞聖人750回大遠忌までには、鐘楼堂の屋根替え・境内地の整備など進めて行きたいものです。

合掌

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上記写真は平成20 年6 月に撮影。 木羽屋根の破損や銅版の腐食や釘 の腐食により口が開く状態。

足場組立

9月7日鐘楼堂改修の前段取りである足場の建設がはじまりました。足場のプロだけあって早い早い。まさに「あっ」と言う間に組み上げてしまいました。

ブルーシートで覆われた鐘楼堂は今回の改修目的である屋根の葺き替えがしやすいように足場が組まれています。登ってみると当然ながら普段は見えないところまでよく見えるのですが、屋根の傷みは下から見上げる以上で「86年もの間、風雨に耐えてきたんだものなぁ」と改めて実感。

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屋根の解体

9月21日、鐘楼堂屋根の解体工事が行われました。

工事の前に関係者にて起工式を行い、工事の安全を願ったのちに作業開始。手慣れた職人さんの手によって鐘楼堂の銅屋根下部からバールでベキベキと剥がされてゆきます。現れた下地も一部腐食が進んでいる箇所がありました。

屋根の改修は下地から全て修復されるので、鐘楼堂屋根は骨組みを残して全て撤去されました。今回の解体で多くの廃材がでましたが、屋根に用いられている銅は鋳潰して再利用できるのが特徴。

寺社仏閣の多くで銅屋根が用いられておりますが、循環型資源なのでエコでもあります。

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起工式終了後のスナップ

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銅屋根をバリバリと解体

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急峻な屋根も職人さんはスイスイ

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下地の木材も腐食が進んでいます。

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あっと言う間に骨組みだけに

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廃材の山銅は再利用できるのでエコでもあります。

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ブルーシートを被せられ屋根張りを待ちます。

銅屋根張り作業

鐘楼堂屋根の屋根張りが遂に行われました。

あらかじめ屋根の骨組みに張る下地板の上に防水シートも施工されており耐久性アップ。
前回施工(86年前)には当然ながら防水シートは無かったので屋根の耐食性は格段に向上しました。

そこへ眩いばかりの銅板を手作業で張ってゆきます。銅板は真っ直ぐな横板状にあらかじめ加工されており、直線の部分はそのまま張っていましたが、曲線部などはすべて職人さんが手作業で銅板を叩いて下地と合わせてゆきます。

素人目には何となく叩いているように見えますが、そこは職人の技。
目的のカーブを作り出すために適切な個所を叩きだして最適な形状へと変化させてゆきます。

施工当初は銅板が酸化していないので、キラキラと眩い光を放っていました。

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基本は直線の銅板

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真っ直ぐなところから

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張って張って

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無駄のない動き

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家紋も入りました

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こちらは本願寺の下り藤紋。

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懸魚と六葉も新しく。

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完成

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屋根の張り替えが完了し、鈍い銅色を放つ鐘楼堂。親鸞聖人もにっこり!?

今回撞木(しゅもく)も新しくすべく、交換用にと植えてあった棕櫚の木(しゅろのき ※1)を調べたところ、残念ながら交換には適さない状態でした。そこで急きょ「檜(ひのき)」で撞木を新調。檜は硬いので遠くまで響く抜ける音を出すといわれています。

今年の除夜の鐘はこれまでとは一味違う音がするかもしれません。お楽しみに。

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工事前の写真。酸化被膜である緑青で覆われた銅屋根は歴史を感じます。

細かいところですが、改修前の屋根はなるべく直線を多用して施工してあるのに対して、改修後の屋根はアーチやアールの部分がより丸みを帯びたスムーズな形状となっているのがわかります。

新たな屋根もしばらくすると緑青で覆われた屋根へと変化します。

※1:鐘を突く撞木には「棕櫚の木(しゅろのき)」がよく用いられます。棕櫚の木とは見た目が南国風な木で柔らかい繊維質なので梵鐘を傷めず柔らかい音を出すといわれています。お寺の庭に棕櫚の木が植えてあったら、撞木交換用として植えてあるものかもしれません。

左:棕櫚の木(ウィキペディアより)

鐘楼堂修復工事落成にあたって

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修復記念写真は、今年度の総代・世話人・婦人会の各役員さん

特集

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